Portable Story 1000 pieces 1-100☆1ひとつ見ればみえる 小さきつぶとなって 今この谷をそめよう ひとつ追えばおえる 事なきくいとなって 今この春へむかおう 「春のくる 朝の原を 見わたせば 霞もけふぞ 立ちはじめける」2013.02.26 ☆2 つちにふれたゆきの みるまにねつをもち いまたにをはしるよ ついにそえた御手の みるまにねつをもち いまこころはしるよ 「三室山 谷にや春の たちぬらん 雪のした水 岩たたくなり」2013.02.26 ☆3 みととせの しろきやみさえ あとたえて いそとせの くらきみちにも ひかりそえ 「雪ふかき 岩のかけみち あとたゆる 吉野の里も 春はきにけり」20230325 ☆4 かわらぬことの ここちのよさに かえれぬことの こころかたさに 「道たゆと いとひしものを 山里に きゆるはをしき こぞの雪かな」20230325 ☆5 はるがきたから たつのではなく そうしたいから するのではなく 「春たてば 雪のした水 うちとけて 谷のうぐひす いまぞなくなる」20230325 ☆6 このみはいまだ ふゆをしるのに このめはいまだ かれをみるのに 「山里の かきねに春や しるか覧 かすまぬさきに うぐひすのなく」2013.03.09 ☆7 めをこらしてみれば わかるはずのものを こころすませるなら ふれるはずのものを 「けぶりかと 室の八島を 見し程に やがても空の かすみぬるかな」2013.03.14 ☆8 おきつしらなみ ちどりなるごと ながすしすみの めがみなるごと 「霞しく 春のしほぢを 見わたせば みどりをわくる 沖つしら浪」2013.03.14 ☆9 あなたとわたしを へだててるいろは ふゆとはるのひを わけてゆくかぜは 「わぎもこが 袖振山も 春きてぞ かすみのころも たちわたりける」2013.03.22 ☆10 いにしえはぜひにと もとめられた木々の うつしよはきひへと おとしめられた霞の 「春くれば 杉のしるしも 見へぬかな かすみぞたてる 三輪のやま本」2013.03.22 ☆11 あるがごとくに みえる人を惧れ あるがごとくに おもう己を畏れ 「みわたせば そことしるしの 杉もなし かすみのうちや 三輪のやまもと」2013.03.30 ☆12 いまこそそらを あけはなつとき とじてたそらを あけはなつとき 「ときはなる 松もや春を 知りぬらん はつねをいはふ 人にひかれて」20230407 ☆13 あなたはそれを だれにつむのか ぼくにではない だれにつむのか 「うらやまし 雪のした草 かきわけて たれをとふひの 若菜なるらむ」20230407 ☆14 ひらかれども ときはきえず はじまれども あとはきえず 「春日野の 雪を若菜に つみそえて けふさへ袖の しほれぬるかな」20230407 ☆15 はながふるたび ときはうつりて かぜがふくたび こえはきえうせ 「咲きそむる 梅の立枝に ふる雪の かさなるかずを とへとこそおもへ」20230407 ☆16 ぼくのこころも しらぬあなたは ぼくがここにも いるというのに 「梅が枝に 心もゆきの かさなるを 知らでや人の とへといふらむ」20230424 ☆17 わたゆきちらす かすかなはかぜ はなにまがえて ちるはわたはね 「梅が枝に ふりつむ雪は うぐひすの 羽風にちるも 花かとぞ見る」20230424 ☆18 はなのかおりに さそわれるみち はなのかおりに まどわれるみち 「かほる香の たえせぬ春は 梅の花 ふきくる風や のどけかるらむ」20230424 ☆19 はなさくそのは ひとをさそうよ こころせずとも ひとはおとうよ 「いまよりは 梅さくやどは こころせよ 待たぬにきます 人もありけり」20230424 ☆20 はなのすがたは みえないけれど つきのひかりで みえないけれど 「にほひもて 分かばぞ分かむ 梅のはな それとも見えず 春の夜の月」20230515 ☆21 かざしたはなに ゆきをとどめて きえゆくはずの ゆきをとどめて 「梅の花 をりてかざしに さしつれば 衣にをつる 雪かとぞみる」20230515 ☆22 はなのかおりに きみのけはいを はるのよるには こころとかして 「梅の香に おどろかれつつ 春の夜の やみこそ人は あくがらしけれ」20230515 ☆23 かぜにのる香は そらをふいてて ないはずの香は ぼくをなでてて 「さ夜ふけて 風やふくらん 花の香の にほふ心地の 空にするかな」20230515 ☆24 のきばにさくはな たおられやすくて のきばにかほれば きずつきやすくて 「春の夜は 軒端の梅を もる月の ひかりもかほる 心ちこそすれ」20230526 ☆25 やさしきよるは かぜにだかれて かおるるはるは みてにだかれて 「春の夜は 吹きまふ風の うつり香を 木ごとに梅と 思ひけるかな」 ☆26 かおりさまよう このはるのよに とざしてもいる このはるのよに 「梅が香は をのが垣根を あくがれて まやのあまりに ひまもとむなり」20230526 ☆27 うつくしきこえに かおりをそえて うぐいすのえだに こえものこりて 「梅が香に 声うつりせば うぐひすの なく一枝は をらましものを」20230526 ☆28 きみのこえが かぐわしいのは かぜのおとさえ なつかしいのは 「梅が枝の 花にこづたふ うぐひすの 声さへにほふ 春のあけぼの」20230615 ☆29 ちいさきものが 木づたうように かすかなこえが 鼓してくように 「風わたる 軒端の梅に うぐひすの なきてこづたふ 春のあけぼの」20230615 ☆30 ぼくのこころは いつもとじてて それでもきみは こころとどけて 「むかしより 散らさぬやどの 梅の花 わくる心は いろに見ゆらむ」20230615 ☆31 ふるあめのただ めぐみをうけて ふるこえのただ めぐみをうけて 「よもの山に 木の芽はるさめ ふりぬれば かぞいろはとや 花のたのまん」2019.03.28 ☆32 あめにはなにも いろはないのに こえにはなにも いろはないのに 「春雨の ふりそめしより 片岡の すそのの原ぞ あさみどりなる」2019.03.28 ☆33 そとにわたしの あめがおりるの そとにわたしの うちがうつるの 「つれづれと ふるはなみだの 雨なるを 春の物とや ひとの見ゆらむ」2019.03.28 ☆34 かばざくらには ひとあつまれど みやまぎもまた ここにとまえど 「み山木の かげ野の下の したわらび もえいづれども 知る人もなし」2019.03.28 ☆35 いまみえなくとも すでにもてるもの いまのぞむのなら すでにもてるもの 「みごもりに あしの若葉や もえぬらん 玉江の沼を あさる春駒」2019.03.28 ☆36 はるのくるひを まつあいだにも とぶはねやすめ まつあいだにも 「春くれば たのむの雁も いまはとて かへる雲路に 思ひたつかな」2019.03.28 ☆37 いつかはかえると しっているから いつもかえれると しっているから 「ながむれば かすめる空の うき雲と ひとつになりぬ 帰るかりがね」2019.03.28 ☆38 ときのさかいを こえるまにまに ときのさかえを ことほぐままに 「天つ空 ひとつにみゆる 越の海の 波をわけても 帰るかりがね」2019.05.02 ☆39 わけゆくときの さきはしらねど わけゆくときに こころそわせて 「帰る雁 いく雲井とも 知らねども 心ばかりを たぐへてぞやる」2019.05.02 ☆40 いつものように あけそめる空も ときをくぐりて あけそめる朝も 「春はなほ 花のにほひも さもあらばあれ ただ身にしむは あけぼのの空」2019.05.02 ☆41 ひとよひとよの おもいかさねて ひとつひとつの はなをかさねて 「あさゆふに 花まつころは 思ひ寝の 夢のうちにぞ さきはじめける」2019.05.02 ☆42 みやまぎの いろにまぎれて こがらしの おとにまぎれて 「いづかたに 花さきぬらんと 思ふより よもの山辺に ちる心かな」2020.01.27 ☆43 はなはひとりで みるものという はなはふたりで みればかわると 「山ざくら たづぬと聞くに さそはれぬ 老の心の あくがるるかな」2020.01.27 ☆44 きみをむかえて すめるこのよは きみをむかえて とめるこのよは 「かげきよき 花のかがみと 見ゆるかな しずかにすめる 白川の水」2020.01.27 ☆45 はなはかわらず きみをむかえて はなはまたさき きみをむかえて 「よろづ代の 花のためしや けふならむ 昔もかかる 春しなければ」2020.01.27 ☆46 はなをたよりに きみをたづねて いろをたよりに きみをめざして 「たづねつる 花のあたりに なりにけり にほふにしるし 春のやま風」2020.02.10 ☆47 いきてかへるさ はなにみられて かへりいづるさ はなにおくられ 「帰るさを いそがぬほどの 道ならば のどかに峰の 花は見てまし」2020.02.10 ☆48 しろきかすみに はなはつつまれ しろきそでいに はなはまもられ 「山ざくら にほふあたりの 春がすみ 風をばよそに たちへだてなむ」2020.02.10 ☆49 すべてのやまに はなさくゆへに すべてのやまを たどれるゆへに 「花ゆえに かからぬ山ぞ なかりける 心は春の かすみならねど」2020.02.10 ☆50 いつもの春に あいたいけれど まだみぬ春に あいたいけれど 「さくら花 おほくの春に あひぬれど きのふけふをや ためしにはせむ」2020.03.03 ☆51 そらまでそめる はなのうすいろ こえさえかおる かぜのなみおと 「花ざかり 春のやまべを 見わたせば 空さへにほふ 心ちこをすれ」2013.03.30 ☆52 はながさくから ひとはさかゆる はながちるから またもさかゆる 「咲きにほふ 花のあたりは 春ながら たえせぬ宿の みゆきとぞみる」 2015.03.30 ☆53 手折らねば つづく命と 知りながら 野におけど 去りぬ色と しればこそ 「たづねきて 手折るさくらの あさ露に 花のたもとの ぬれぬ日ぞなき」2013.04.05 ☆54 ちらぬさくらの いろめはいかに たえぬこころの いとめはいかに 「かりにだに いとふ心や なからまし ちらぬ花さく この世なりせば」2013.04.05 ☆55 さくらばな かなしみに いろそめて さくらばな よろこびに いろそめて 「みな人の 心にそむる さくら花 いくしほ年に 色まさるらん」20115.03.30 ☆56 ちかくのはなに おもひよせるも とおくのはなに おもひよせるも 「葛城や 高間の山の さくら花 雲井のよそに 見てやすぎなん」2015.03.30 ☆57 かおるさくらの ちるはかなしき そまるさくらの さるはかなしき 「山ざくら かすみこめたる ありかをば つらきものから 風ぞしらする」2015.03.30 ☆58 白きわたぬの 彼をおほひて 広きわたぬの 邦をおほひて 「神がきの 三室の山は 春きてぞ 花のしらゆふ かけて見えける」2020.03.03 ☆59 こころはいつも とおきかのちに こころはつくる なにふれぬまに 「夜もすがら 花のにほひを 思ひやる 心や峰に たびねしつらむ」2020.03.03 ☆60 はなはいつまで ぼくをまつのか たづねはいれぬ ぼくをまつのか 「咲きぬやと 知らぬ山路に たづねいる 我をば花の しほるなりけり」2020.03.03 ☆61 僕がかってに 惑ったけれど 心のむくまま 辿ったけれど 「暮れはてぬ 帰さはをくれ やまざくら たがためにきて まどふとか知る」2020.03.03 ☆62 ふうらりふらり あしむくままに ふうらりふらり 花さそうままに 「花ゆへに 知らぬ山路は なけれども まどふは春の 心なりけり」2020.03.21 ☆63 ことしのはなの こきかうすきか ことしのひとの こきもうすきも 「年をへて おなじ桜の 花の色を そめますものは 心なりけり」2020.03.21 ☆64 こころあそばせ 身はここにいて はなとたわむれ 身はここのまま 「花ざかり よもの山べに あくがれて 春は心の 身にそはぬかな」2020.03.21 ☆65 さきゆくほどに やまはおおわれ ふりゆくほどに こころおおわれ 「吉野川 みかさはさしも まさらじを 青根をこすや 花のしらなみ」2020.03.21 ☆66 ぼくのこの身は とざされてても ぼくのさくらよ かわらずに咲け 「さざ浪や 志賀のみやこは あれにしを むかしながらの 山ざくらかな」2020.04.03 ☆67 ゆきつもどりつ ぼくらをみてた ゆきつもどりつ さくらはみてた 「さざ浪や 志賀のはなぞの 見るたびに むかしの人の 心をぞ知る」2020.04.03 ☆68 白なみのさきに さくらこぼれて 葉ずれのおとに さくらさかせて 「高砂の 尾上のさくら さきぬれば こずゑにかくる をきつしら浪」2020.04.03 ☆69 はなのさかりに こころおどれど はなのさかりは ぼくをさそえど 「をしなべて 花のさかりに 成りにけり 山のはごとに かかるしら雲」2020.04.03 ☆70 はなのさかりは くもたつほどに はなのさかりは いろめくほどに 「吉野山 花のさかりに なりぬれば たたぬときなき 峰のしら雲」20230622 ☆71 はるくるたびに いのちそなわり こころたつほど いのちそなわり 「春をへて にほひをそふる 山ざくら 花はをいこそ さかりなりけれ」20230622 ☆72 はなのむこうに ひかりはさして はなもこえての ひかりもとめて 「白雲と みねのさくらは 見ゆれども 月のひかりは へだてざりけり」20230622 ☆73 このまにすける あのかげをおい このまにわれる あのかげをてに 「花の色に ひかりさしそふ 春夜ぞ 木のまの月は みるべかりける」20230622 ☆74 まぎれてもなお ぼくにせまるよ そのばしのぎの ぼくにせまるよ 「を初瀬の 花のさかりを 見わたせば 霞にまがふ みねのしら雪」20230703 ☆75 はなのいろにや みねはそまりて いついつまでも みねはそまりて 「さざなみや 長等の山の みねつづき 見せばや人に 花のさかりを」 ☆76 ゆきのうえにも はながさくなら まだしらんでも かぜがふくなら 「み吉野の 花のさかりを けふみれば 越の白根に 春風ぞふく」20230703 ☆77 さくらにみどりが ひらり兆ざすまで さくらがもとへに しろき片まくまで ひがな君ながめて 「咲きしより ちるまで見れば 木の本に 花も日かずも つもりぬるかな」2012.04.15 ☆78 はなにあそぶ ときはとわに さくもちるも めにはのこり とくうせても きしはおなじ 「池水に みぎわのさくら ちりしきて 波の花こそ さかりなりけれ」2012.04.19 ☆79 とおきにあるとき うつくしきもの ひとりになるとき なつかしきもの 「白雲と みねには見えて さくら花 ちればふもとの 雪にぞありける」20230720 ☆80 きえゆくものこそ おしきものとは かわらぬものこそ おしきものとは 「吉野山 花はなかばに ちりにけり たえだえのこる 峰のしら雲」20230720 ☆81 はながさいたら おしむこころは はながちるから おしむこころは 「山ざくら をしむ心の いくたびか ちる木のもとに 雪かかるらむ」 ☆82 ちれる花びらに 雪をみれるなら ふりそそぐ陽に 雹をよべるなら 「春雨に ちる花見れば かきくらし みぞれし空の 心ちこそすれ」20230720 ☆083 そっとちいさく つまおとをのせ そっとちいさな ひとひらをのせ 「ふめばをし ふまではゆかむ かたもなし 心づくしの やまざくらかな」20230803 ☆084 ものいうごとに こころちらして はなみるごとに おもいくだけて 「山ざくら ちぢに心の くだくれば ちる花ごとに そふにやあらん」20230803 ☆085 ぼくはここで きこうとしてた きみのこわねを きこうとしてた 「花のちる 木のしたかげは をのづから そめぬさくらの 衣をぞきる」20230803 ☆086 はなのちらぬ やまもしあれば まどうてしらぬ みちもしあれば 「春をへて 花ちらましや をく山の 風をさくらの 心とおもはば」20230803 ☆087 しがのうみには はなのしらなみ しがのそらにも うつるしらなみ 「あらしふく 志賀の山辺の さくら花 花ちれば雲井に さざ浪ぞたつ」20230819 ☆088 しがのそらには なみちるほどの しがのはなには なみだつほどの 「春風に 志賀の山こゑ 花ちれば 峰にぞ浦の なみはたちける」20230819 ☆089 そらさくはなが おりたつように そらそめてなお なみさくように 「さくら咲く 比良の山風 ふくままに 花になりゆく 志賀のうら浪」20230819 ☆090 はなのころもに われをわすれて はなはちるのに われをわすれて 「ちりかかる 花のにしきは 着たれども かへらむ事ぞ わすられにける」20230819 ☆091 ちるはなあつめ とこしえになれ まうはなまとい とこしえにそめ 「あかなくに 袖につつめば ちる花を うれしと思ふに なりぬべき哉」20230905 ☆092 はなのためなら このみをかえて おしまれずとも このみにかえて 「桜花 うき身にかふる ためしあらば 生きてちるをば 惜しまざらまし」20230905 ☆093 ふまれぬはなの しらゆきのごと おどれるはなの しらゆきのごと 「み吉野の 山した風や はらふらむ こずえにかへる 花のしら雪」20230905 ☆094 はなぬすびとの てにしたものは かぜになぞらえ てにしたものは 「一枝は 折りてかへらむ 山ざくら 風にのみやは ちらしはつべき」20230905 ☆095 いろのうつりを わがみにかえて はなのちるのを わがみにそえて 「ちる花を 身にかふばかり 思へども かなはで年の 老ひにけるかな」20230921 ☆096 こころのさくら ひごといろそえ みられぬさくら うしないしとき 「あかなくに ちりぬる花の おもかげや 風に知られぬ さくらなるらむ」20230921 ☆097 さいてはちるを くりかえすより さかぬつぼみで のにおけるより 「山ざくら ちるを見てこそ 思ひ知れ たづねぬ人は 心ありけり」20230921 ☆098 とおくにいてよ ぼくのよろこび ちかくにいてよ ぼくのかなしみ 「よそにても 聞くべかりける さくら花 目のまへにても ちらしつる哉」20230921 ☆099 はなのひとつに こころをのせて ちりしくはなに こころをのせて 「さくらちる 水のをもには せきとむる 花のしがらみ かくべかりけり」20230921 ☆100 はなのいろにて そめられしもの あるかなきかに そめられしもの 「山風に ちりつむ花し ながれずば いかで知らまし 谷のした水」20230921 |